建設採用研究所

未経験者を採りたいなら、「未経験歓迎」ではなく「未経験の1年目」を見せよう。

建設現場で先輩社員から仕事を教わる未経験の若手社員

建設会社の求人で、よく見る言葉があります。

「未経験歓迎」

でも、建設を知らない人からすると、これだけではかなり怖い。

歓迎してくれるのは分かった。
では、入った翌日から何をするのか。
誰が教えるのか。
何ヶ月で何ができるようになるのか。
資格はいつ取るのか。
失敗したらどうなるのか。
1年後、自分は何者になっているのか。

そこが見えないからです。


国も「人材確保」だけでなく「育成」を一体で考えている

厚生労働省と国土交通省は2026年9月4日、令和9年度予算概算要求における建設業の人材確保・育成施策を公表しました。

背景には、建設技能者の約4分の1が60歳以上である一方、29歳以下は約12%という年齢構成があります。

重要なのは、政策のタイトル自体が「人材確保・育成」になっていることです。

人を集めるだけではなく、入職後に育てるところまで含めなければ、担い手不足は解決しない。

これは中小建設会社の採用にも、そのまま当てはまると思います。


阿部なら「未経験歓迎」の次の一行が気になる

求人票を見ていて「未経験歓迎」と書いてあると、私はその次を見たくなります。

「で、どうやって未経験者を経験者にするんですか?」

ここです。

経験者が採れないから未経験者も募集する。
でも入社したら「現場を見ながら覚えて」「先輩についていって」。

これでは、採用対象だけ広げて、受け入れ側は昔のままです。

未経験採用をするなら、求人条件ではなく育成導線まで工事する必要があります。


建設会社には普通でも、未経験者には全部が未知

建設会社の人にとっては、朝礼も、現場への移動も、安全ルールも、工具も、職人さんとの会話も当たり前です。

でも初めて建設業に入る人には、その全部が未知です。

「施工管理」と言われても、一日のどこで何をしている仕事なのか分からない。
「職人」と言われても、入社初日に何を任されるのか分からない。

だから給与や休日だけでなく、入社後の時間を見せる必要があります。


サイヨー工務店なら「1年目の施工図」をつくる

例えば求人ページに、こんなものを載せます。

さらに、先輩社員に「1年前は何が怖かった?」「最初に失敗したことは?」を話してもらう。

会社見学や職業体験では、完成した現場だけを見せるのではなく、新人が最初に覚える作業を少し体験してもらう。

これなら「未経験歓迎」という言葉が、初めて具体的になります。

私はこれを「1年目の施工図」と呼びたい。

建物をつくるときに完成形だけ見せて工事を始めないように、人を採るときも「入社後どう育つか」の工程が必要です。


求職者が知りたいのは「できるかどうか」

未経験者が建設業を見たとき、給与の次くらいに気になるのは、たぶん「自分にできるのか」です。

そこで会社側が「やる気があれば大丈夫」と言っても、本人には判断できません。

だったら、会う。
見る。
少し体験する。
そして1年目の道筋を見せる。

応募前に不安を減らし、入社後のミスマッチも減らす。

未経験採用は、入口を広げることではありません。
入口から一人前になるまでの道をつくることです。


まず見直すなら求人票のこの部分

自社の求人に「未経験歓迎」と書いてある会社は、そのすぐ下に次の5つを答えられるか確認してみてください。

答えられないなら、求人広告を増やす前に、そこを工事する価値があります。

一度、御社の採用を見せてください。


参考:厚生労働省・国土交通省「建設業の人材確保・育成に向けた取組を進めていきます」(2026年9月4日)

未経験者に伝える内容や、見学・体験の入口を整えたい方へ。未経験者との接点をつくる採用支援を見る

入社後の育ち方が整理できたら、実際に見せる機会をつくってみてください。会社見学を90分で組み立てる例では、仕事・社員・最初の教わり方を伝える当日の流れを紹介しています。