建設会社の経営者から、採用についてこんな話をよく聞きます。
- 「求人を出しても応募が来ない」
- 「若い人が建設業に興味を持ってくれない」
- 「人材紹介会社に頼んでも採用できない」
- 「Indeedを使っているけれど反応がない」
確かに、建設業界で人材を採用することは簡単ではありません。
しかし、建設会社の採用を考えるときに気をつけたいのは、
「応募が来ない=求人媒体が悪い」
と考えてしまうことです。
実際には、その前後にある採用活動全体を見直した方がいいケースが少なくありません。
今回は、建設会社の採用がうまくいかないときに確認したい5つのポイントを考えてみます。
建設会社の採用で見直したい5つのポイント
1|そもそも「どんな人を採りたいのか」が決まっているか
採用がうまくいかない会社ほど、「若い人が欲しい」「施工管理が欲しい」「経験者が欲しい」というところで採用条件が止まっていることがあります。
しかし、これだけでは採用活動はなかなか具体化できません。
例えば施工管理・現場監督でも、会社によって必要な人物は違います。
- 現場で職人さんたちとコミュニケーションを取れる人なのか
- 細かな工程管理をきちんとできる人なのか
- 将来的に現場を任せられる人なのか
- 未経験でも時間をかけて育てるのか
特に若手や未経験者を採用する場合、最初から建設の知識や資格だけを見る必要はありません。現場では、入社してから仕事を覚えていくこともできます。
だからこそ、「経験者が欲しい」で終わらず、この会社の現場で活躍できる人はどんな人なのかまで考えることが重要です。
2|仕事内容が求職者に伝わっているか
建設会社の求人を見ると、仕事内容が専門用語だけで書かれていることがあります。
業界の人には分かっても、建設業を知らない若い人には分かりません。
さらに難しいのは、建設の仕事は実際の価値に対して、その魅力が外から見えにくいことです。
- 街をつくる
- 道路をつくる
- 建物をつくる
- 人々の暮らしを支える
- 何年、何十年と残る仕事に関わる
本来、非常にスケールの大きな仕事です。
ところが求人になると、「施工管理業務」「安全管理・工程管理・品質管理」という説明だけになってしまう。これでは、仕事の意味や面白さまで伝わりません。
採用では仕事内容を正確に説明することも必要ですが、その仕事をすることで何ができるのか、何が面白いのかまで伝えることが大切です。
3|会社の魅力を「待遇」だけで説明していないか
給与、休日、福利厚生、資格手当。もちろん、どれも重要です。
しかし、条件だけで他社との差をつくろうとすると、最終的には給与競争になってしまいます。
中小の建設会社が大手企業と給与や福利厚生だけで競争するのは簡単ではありません。
一方で、中小の建設会社には大手とは違う魅力があります。
- 若いうちから仕事を任せてもらえる
- 経営者との距離が近い
- 完成まで仕事を見ることができる
- 地域に残る建物やインフラに直接関われる
- 職人や協力会社との人間関係が濃い
こうしたものも立派な採用上の強みです。
問題は、会社側がそれを「当たり前」だと思っていて、言葉にしていないこと。
採用では、新しい魅力をつくるだけではなく、すでに会社の中にある魅力を見つけることも重要です。
4|応募が来た後の対応まで設計されているか
採用は求人を掲載したところで終わりではありません。むしろ、そこからがスタートです。
- 応募を受け付ける
- 連絡する
- 面接の日程を決める
- 会社を説明して面接する
- 選考結果を伝える
- 内定後も連絡を取る
このどこかで対応が遅れると、候補者は他社へ行ってしまいます。
特に採用担当者がいない建設会社では、社長や総務担当者が通常業務の合間に採用を行っていることも珍しくありません。
現場が忙しくなれば、応募者への連絡が後回しになる。これは十分に起こり得ます。
つまり採用の問題は、「応募が来ない」だけではなく「採用業務が回っていない」というケースもあるのです。
求人媒体を増やす前に、応募が来たときの動きまで確認しておく必要があります。
5|採用を「求人広告だけの仕事」にしていないか
建設会社の採用には、いろいろな方法があります。求人媒体だけではありません。
- 学校との関係をつくる
- 学生に会社を知ってもらう
- 職場見学を行う
- インターンや職業体験を実施する
- 社員の仕事を写真や動画で伝える
- スカウトで直接声をかける
- 会社の採用サイトを整える
それぞれの会社によって、効果的な方法は違います。
だから、「とりあえず求人を出す」から採用を始めるのではなく、会社の状況に合わせて採用方法を組み立てるという考え方が必要になります。
建設採用は「求人を出すこと」ではない
建設会社の採用がうまくいかないとき、求人媒体を変えることが必要な場合もあります。求人原稿を改善するだけで応募が増えることもあります。
しかし、それだけでは解決しない会社もあります。
- 採りたい人物が決まっているか
- 仕事の魅力が伝わっているか
- 会社の強みが言葉になっているか
- 応募者への対応ができているか
- 採用方法そのものが会社に合っているか
採用は、こうした一連の仕事です。
だからこそ、最初にやるべきなのは、求人を出すことではなく、現在の採用活動を整理することなのかもしれません。
建設を、憧れられる仕事に
建設は、本来もっと若い人に興味を持ってもらえる仕事だと私たちは考えています。
- 街をつくる
- 人の暮らしを支える
- 巨大な建物やインフラを、多くの人と協力して完成させる
そこで身につけた技術や経験は、自分自身にも残っていきます。
問題は、その価値がまだ十分に伝わっていないことです。
建設採用研究所では、求人媒体の使い方だけではなく、学校採用、採用広報、採用ブランディング、職業体験、採用実務など、「どうすれば建設の仕事が人に伝わり、選ばれるのか」をこれから継続的に考えていきます。
建設を、選ばれる仕事へ。
建設を、誇れる仕事へ。
建設を、憧れられる仕事に。
求人票だけでなく、御社の採用全体を一度整理したい方へ。採用の現場調査について
採用全体の進め方を整理したい方は、建設採用の始め方もご覧ください。若手・未経験者に見せる仕事から、学校・会社見学・参加後の対応までをまとめています。