地方の会社が若い人を採ろうとすると、つい「うちの会社の魅力をどう伝えるか」を考えます。
技術があります。
人がいいです。
福利厚生があります。
こんな製品をつくっています。
こんな工事をしています。
もちろん全部大事です。
でも、地方で働く人にとっては、その会社に入ることと、その街で暮らすことはほぼセットです。
だったら会社だけを売ろうとするのは、少し順番が違うんじゃないかと思っています。
地方就職は「会社選び」だけではない
厚生労働省の地方就職支援サイト「LO活」では、2026年9月にもU・I・Jターンの地元・地方就職ガイダンスが案内され、自治体による交通費・移転費支援や、地域を知るインターン・仕事体験も紹介されています。
また、厚生労働省のUターン希望に関する資料では、地域によっては大学生の約半数がUターンを希望する一方、実際には戻らなかった人の中に「やりがいがあり、自分らしい仕事があれば地元に残りたかった」という声が多いことも示されています。
つまり、地方で働きたい人がいないわけではない。
仕事と地域の魅力が、本人の生活まで含めて見える形になっていない可能性があります。
阿部なら、会社説明会の前に街を見せたい
地方企業の採用を考えていて、最近かなり引っかかっていることがあります。
東京の会場で30分、会社説明を聞いてもらうより、一度その街に来てもらった方が早いんじゃないか。
駅に着く。
街を歩く。
地元の店で昼を食べる。
会社を見る。
働いている人と話す。
現場や工場を見る。
夕方には、その街の景色を見る。
そこで初めて、求職者の頭の中に「ここで働く自分」だけでなく、「ここで暮らす自分」が出てきます。
会社説明会ではなく、街の体験会です。
建設会社には、地域そのものが採用資産になる
これは地方の建設会社とかなり相性がいいと思っています。
建設会社は、その街の道路、建物、学校、橋、工場、公共施設などに関わっていることが多い。
つまり会社を説明しながら、その街を説明できる。
「この道路、うちがつくりました」
「この建物、うちが関わっています」
「この地域ではこんな暮らしができます」
会社案内と街案内を分ける必要がないんです。
むしろ、自分たちの仕事が地域の暮らしをどうつくっているかまで見せた方が、建設を知らない人にも仕事の意味が伝わります。
未経験者には、仕事内容より先に生活が気になる
特にU・Iターンで未経験者を採るなら、仕事内容だけ説明しても足りません。
家賃はどれくらいか。
車は必要か。
休日は何をして過ごせるか。
東京や大阪へはどのくらいかかるか。
どんな人が住んでいるか。
一人で移住しても馴染めそうか。
企業側には採用情報に見えないものが、求職者には重要な判断材料です。
地方採用では、会社の採用ページだけで完結させようとしない方がいい。
サイヨー工務店なら「地域→会社」の順で採用導線を工事する
例えば、都市部で地方企業の採用イベントをするなら、いきなり「当社を受けませんか?」とは言いません。
入口は、
「一度、この街に来てみませんか?」
にします。
その先に、交通費を支援した会社見学、街歩き、現場・工場見学、若手社員との食事、地域ならではの体験をつなぐ。
SNSでも求人情報ばかり流すのではなく、社員が好きな店、休日の過ごし方、街の景色、地域のイベント、自分たちがつくった場所を見せる。
採用導線は、
街を知る → 行ってみたくなる → 実際に行く → 人と会う → 仕事を見る → 少し体験する → ここで暮らす自分を想像する → 応募する
です。
これは求人広告を増やす話ではありません。
地域まで含めて採用を工事する話です。
まず見直すなら「採用ページから街が消えていないか」
地方企業の採用ページを見ていると、会社の情報はたくさんあるのに、その会社がある街の姿がほとんど見えないことがあります。
でも、入社する人は会社の中だけで24時間暮らすわけではありません。
御社の採用ページを見た人は、
「この会社で働きたい」だけでなく、
「この街で暮らしてみたい」まで想像できるでしょうか。
地方採用なら、そこまでが採用導線だと思います。
一度、御社の採用を見せてください。
参考:厚生労働省「LO活-Local+就活」「若者のUターン希望について」
地域の魅力を、会社見学や応募につながる採用の流れにしたい方へ。建設会社の採用支援を見る
街の体験会や会社見学は、参加した後の案内まで用意しておきたいところです。見学後のフォローをどう決めるかも、企画の準備にお役立てください。