会社見学が終わって、参加者が持ち帰ったのは会社案内だけ。そんな見学を変えるなら、「どんな仕事をするか」「誰と働くか」「最初に何を教わるか」の3つを、当日の内容に入れてみてください。
採用ページでは伝えきれないことを、自分の目で確かめてもらう。そのために、会社の説明を聞く時間と、社員の働く姿を見たり質問したりする時間を組み合わせます。ここでは、建設会社が最初の会社見学を組み立てるための90分の例を紹介します。
参加者に持ち帰ってほしい3つの答え
準備を始める前に、参加者が見学後に答えられるようになってほしいことを決めます。
- この会社は、どんな仕事をしているのか。完成した建物や設備だけでなく、そこに関わる社員の仕事まで説明できる。
- わからないことは、誰に聞けるのか。教えてくれる社員の顔と、質問できる場面が浮かぶ。
- 未経験で入ったら、最初に何をするのか。初日や最初の1か月の仕事が具体的にわかる。
この3つに答えられる内容があるかを、当日の担当者と確認します。既に仕事の経験がある参加者なら、「これまでの経験をどこで活かせるか」「担当範囲はどう違うか」に置き換えても構いません。
90分の会社見学は、こう組み立てる
以下は、移動時間の少ない事務所・作業場で実施する場合の一例です。現場への移動がある場合は、無理に90分へ詰め込まず、余裕を持った時間を案内します。
- 最初の10分:今日、確かめたいことを聞く。
会社の概要と見学の流れを短く説明した後、「どんな仕事に関心がありますか」「今日、知っておきたいことはありますか」と聞きます。安全上の注意や立入り範囲もここで共有します。 - 次の20分:仕事を一つ、順番に見せる。
例えば、公開できる施工写真を使い、準備から完成までの流れを社員が説明します。「この場面で誰が、何を確認するか」まで話し、専門用語はその場で言い換えます。 - 次の25分:一緒に働く社員と話す。
若手社員には入社して戸惑ったこと、先輩社員には新人への教え方を話してもらいます。成功談だけでなく、質問しやすかった場面や、仕事で難しいと感じることも扱います。 - 次の20分:最初の仕事と働く条件を確認する。
入社初日の動き、最初に覚える業務、教える担当を説明します。給与・勤務時間・休日・勤務地などは、募集条件が書かれた資料を使って確認します。 - 最後の15分:残った疑問と次の希望を聞く。
「わかったこと」と「まだ確かめたいこと」を聞きます。追加の質問、別の社員との会話、応募の案内などから、本人が希望するものを選べるようにします。
社長の言葉も、会社が目指す方向を知る大切な材料です。冒頭や最後に短く話す時間を設け、社員との会話や参加者の質問にも時間を残しておきます。
「体験」は、できることを確かめてから入れる
最初から現場作業を体験内容に入れる必要はありません。施工写真を並べて工程を考える、図面の記号を社員と見比べるなど、事務所で仕事の考え方に触れる方法もあります。
作業を伴う体験や施工中の現場への立入りを企画する場合は、現場責任者と、実施できる内容・立入り範囲・指導体制・必要な準備を確認します。見学者のために現場で判断できる担当を置き、受入れが難しい日は無理に実施しない予定にします。
学生向けに実施する際は、企画の目的や内容に合う名称を使います。大学生等のキャリア形成支援では、オープン・カンパニーなどとインターンシップが区別されています。短い見学を一律に「インターン」と呼ばず、学校の窓口と扱いを確認してください。文部科学省の概要資料に整理されています。
事前案内に、参加するための情報をそろえる
当日の内容がよくても、集合場所や服装がわからないと、参加を決めにくくなります。案内には、次の内容を一つにまとめます。
- 対象となる人と、当日見られる仕事。
- 開始・終了時刻、集合場所、移動の有無。
- 服装・持ち物、会社側が用意するもの。
- 参加費や交通費の扱い、雨天時の変更。
- 連絡先、遅れる場合・キャンセルする場合の方法。
- 選考との関係。見学だけの参加が可能なら、そのことも明記する。
「気軽に来てください」という言葉に加えて、来る前に知りたい情報を具体的に渡す。ここも会社見学の準備です。
終わったら、説明しきれなかったことを残す
当日の担当者で、参加者から出た質問と、答えられなかったことを共有します。例えば「現場への移動時間を聞かれた」「新人が一人になる場面を気にしていた」といった具体的な声は、採用ページを直す材料にもなります。
見学の成功を、当日の応募数だけで決める必要はありません。仕事への理解が進んだか、残った疑問を次に答えられるかまで見て、次回の内容を直していきます。
御社で見せられる仕事から、見学をつくる
サイヨー工務店では、会社の魅力を整理し、会社見学や職業体験などの接点を設計します。誰に会ってもらい、何を見せるかから、参加後の案内まで一緒に考えます。
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